頸髄損傷者連絡会・岐阜について

事務局

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頸髄損傷者とは

頸髄損傷者とは、交通事故、スポーツ事故、労働災害、病気等によって頸髄を損傷し、四肢体幹の機能麻痺、知覚麻痺、呼吸器機能の低下、さらに体温調節機能障害、排泄機能障害等の後遺障害の残った者を言います。

■頸髄って何?

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背骨の中には『脊髄(せきずい)』という、大きな神経の束があります。脊髄は手や足を動かしたり、痛みや温度などを感じたりする神経のおおもとになり、脳とつながっています。この脊髄の一番上の部分(脳から一番近い部分)を『頸髄(けいずい)』といい、ちょうど首の骨の中にあります。(下図参照)脊髄からはたくさんの神経がのび、頸髄からも頸神経とよばれる大切な神経が8対のびています。この神経を通常は上からC1~C8とよび、それぞれが身体の運動や知覚を少しずつ分担しています。

■損傷したらどうなるの?

脊髄が傷つくと、そこから下にある神経がマヒするため、体が動かなくなり、皮膚の感覚もなくなってしまいます。傷つく部分が、脳から近ければ近いほどマヒする神経が多くなり、それだけ障害も重くなります。
頸髄の場合、ほんの少し傷つくところが違うだけで、動くところや感じるところが大きく変わります。また傷の程度によって、完全に神経が途切れて、まったく動かない場合(完全マヒ)と、部分的に途切れて、所々動かない場合(不全マヒ)があります。

■具体的にどうなるの?

  • 運動機能の障害

    通常、胸から下は動かすことができません。そのため立って歩くことができないので、車椅子が必要となります。腕は頸髄の傷ついた部分によって動かすことができたり、できなかったり、微妙に変わってきます。ちょうど頸髄には呼吸するための神経もあるため傷ついた部分によっては自分で呼吸ができず、人工呼吸器が必要なこともあります。
    またすわった状態で左右に手をつき、おしりを浮かす動作(プッシュアップ)ができることもあります。これによりベッドから車いすへの乗り移りなどが可能となるため、とても重要な動作となります。
    ときにマヒした足などを触ったり移動したりすると、自分の意志とは関係なく動いたり、けいれんを起こすことがあります。これを痙性(けいせい)といい、寒いときにはひどくなることがあります。

  • 体幹機能の障害

    腹筋・背筋をはじめさまざまな筋肉がマヒしているため、座った姿勢を保つことが非常に困難です。徳にC6より上を傷つけた場合固定しておかないと倒れて転倒してしまいます。

  • 自律神経の障害

    汗が出ないため体温調節が困難です。暑さ・寒さに非常に弱く、エアコンは必需品です。
    また、身体を起こすと血液が下に下がってしまい、貧血をおこしやすくなります。
    ときに、膀胱(ぼうこう)に尿が一杯溜まった時や、排便する時に血圧が急上昇し頭痛、発汗、痙性がひどくなることがあります。放っておくと脳出血を起こすこともあり危険な状態となります。

  • 排泄機能の障害

    排泄するときに使う筋肉がマヒしているため、通常通り行うことができません。そのため、さまざまな工夫が必要です。
    排便に関しては、排便日を決め下剤と座薬で排便を促す方法がよく使われます。排尿に関しては、次のような方法があります。

    導尿法

    カテーテルと呼ばれる清潔な管を、尿道から膀胱へ差し込み排尿する。障害者自身で行う場合を「自己導尿」あるいは「セルフ」という。

    尿道括約筋切除術

    尿道のまわりにある筋肉を削り取ることにより、常に尿が尿道から漏れ出てくるようにする。
    日常生活では尿を溜めておく「集尿器」を装着する。

    膀胱ろう造設術

    下腹部から膀胱に穴を開け、そこにカテーテルを差し込んだままにしておく。カテーテルの出口にビニールのパックをつけ、常に排尿し溜めておくようにする。

不全マヒの場合には、感覚があったり、排尿が通常通りに行えることもあります。なかには立ち上がったり、歩行できる場合もあります。

連絡会の果たす役割

私たちの最大の役割は、頸髄損傷による重い後遺障害に、身も心も打ちのめされている人をなくすことです。そのためには頸損者のネットワークの確立し、関連分野との連携活動、医療・福祉支援体制の整備を目指さなければなりません。

私たちの活動

私たちは頸損者へ、機関誌「夢旅人」を通しての情報提供、親睦交流活動、そして研修活動などを行い、頸損者の抱える問題を解決するために活動しています。あなたは頸損者となり、重い障害に悩み苦しみ、人生をあきらめていませんか。あなたの問題は、多くの仲間が過去に体験したものかもしれません。ひとりで悩まず、私たちに相談してみませんか。私たちは同じ障害を持つ者として、きっとお役に立てることがあると確信しています。私たちは自らの体験を通して得た、情報や知恵を共有して活動を続け、どこかで苦悩している頸損者の力になりたいと思っています。